2002/03/07 桜。
ほんの2.3日前まで堅く閉ざしていた
つぼみが何かの合図を感じ取ったように
桜になった。
ひとつ、ふたつ、みっつ
ポッポッポッ
幸せが伝染していくように
木が丸ごと
桜になった。
私は何にも言わずに桜を眺めていた。
ほんの20cm足らずだった、桜の木。
ほんの10年前は私より小さくて、
さくらんぼも数える程しか実らなかった桜の木。
いつの間に私達を遙か追い越して、
今では食べきれない程のさくらんぼを実らせる。
桜なんてどうでも良かったのに、
これまたいつの間に桜が咲く毎に幸せと思う様になった。
誰かに知らせたくなって、
誰かと愛でたいと思う様になっていた。